tools and sculptures / metal casting
2025.03/14(金)~03/26(水)
場所:niguramu
石川県金沢市高岡町18-13
富山県高岡市で活動する鋳造作家。オブジェ、身の回りの用具や雑貨類と幅広い作品を作っている。今回の展示は新作の花器を数点発表予定。
尾崎迅/鋳物造形物の概要:
金属を溶かして型に流し込む技術を用いた制作活動をしている尾崎迅。銅合金を時間軸を超える対象に見立て、生物、静物、水や光の流れなどを集約して造形物にしている。
皮膚越しに触れはするが見たことはない骨や古代の装身具の貝輪、植物の動く様などの「(1)身近なようでいて触れられないもの」、光や波の動きなど永続性がありながら「(2)再現性が低い現象」を1つの造形に組合せ、抽象的な像とすることで見る者に想像の余地を残し、連想の飛躍を促している。鋳物制作の過程では内部の空洞を造型することがあり、造形物は内側とともに完成することから、容器状の形を基としている。容器の内部は開かれており外部と一続きにある。内部と外部は入り混じり空間を内包している造形の表面を辿るといつの間にか内部と繋がり、曖昧な境界は動的で一定ではない。
器の形状を根底に置き、生体機能の容器である骨や、空間を孕み時が来れば散り落ちることで空間を手放す花びらなどをモチーフとして組み合わせて造形している。それにより想像の不安定性と鋳物という実在を対比させることで、人間の行為や存在そのものの不確定性を自覚し、実在する物質や自然の備える必然性や変容と許容について考察し記録している。
ブロンズや真鍮は被膜することで永続的な造形物となり、後世に残るイメージの記録装置になる。